金属イオンがイオナンタ実生栽培に及ぼす影響

写真1.コンタミしたionantha thick leaf
写真2.実験に要した器具一覧

自家産aizoidesの種子を無菌播種したけど発芽しなかったMS培地に有菌播種したionantha thick leafが案の定、1ヶ月ちょっとでコンタミ。

そこで救出作戦を敢行した。2020年8月8日実施。

1.ガラス瓶開封

一応、3M社製のN95マスクや使い捨て手袋装着。ガラス瓶を開封してピンセットで中身を取り出す。

2.洗浄

ピンセットで丁寧に培地から子株だけを取り出し、ステンレス製ザルに入れて強すぎない水流でMS培地を洗い流す。洗いすぎても株が痛んで枯れるので、注意。ほどほどに。

3.アルミ板の上へ

洗った状態の小さな実生株をヘゴやイオナンタの葉の上などに放置しておくと枯死率は非常に高くなる。一方、アルミ板の上において、毎日5~10回くらい霧吹きをするだけで生存率は各段に上昇する。

アルミ板の上に置くと腐らない理由は、アルミニウムイオンの殺菌作用によるのかと。一般的にアルミニウムは水と反応するとアルミニウムイオンを発生することが知られており、その殺菌作用をイオナンタ実生栽培にも利用してしまおうという作戦。イオナンタ種子との相性は抜群、成長も悪くない。腐る株がほぼなくなる。ヘゴだと干からびたり腐ったりでよいことなし。

無菌播種したつもりが、有菌播種だった場合はこの方法で救い出せることも。

銅板もよいかも(未実験、殺菌作用が強すぎて成長に悪影響及ぼす?)。ステンレス板も表面に活性が生じるであろうから(未実験、殺菌作用弱すぎで意味ない?)、ヘゴよりはよいかも。気になる方は「金属イオン 殺菌作用」などでググって各自応用ください。最近は新型コロナ関連でも研究が進められていなくもない分野かもしれない。

ならばガラス瓶での無菌播種などせずに直接、金属板の上で播種すればよいのでは?という探求心もわいてくる。家が鉄工所とかで不要な金属板が豊富にある方、神戸製鋼のアルミ研究者の方、ぜひ共同研究しましょう。金属板とチランジア実生栽培、たぶんまだ誰も注目してないので新規事業に結びつくかもしれません。種子は大量に提供できるので、金属板の提供と実験設備貸してください。ご連絡お待ちしています。

以下、備品紹介。

今回使ったざるは下村企販の丸いザル。日本製の頑丈なザルでおすすめ。高島屋、そごう、東急ハンズ、ロフトなどでは「家事問屋」というシリーズで売られているかもしれない。「家事問屋」で買うよりは、「下村企販」として売られている商品の方が安い。恐らく品物は一緒。

背景はオルファのカッターマット。購入したては臭いがきつく部屋の中に置くと独特のゴム臭で頭がくらくらするので、数か月程度屋外に放置推奨。